金継ぎは全部「金」で直してる?
金継ぎは、壊れた陶器や磁器を修復する日本の伝統的な技術です。
修繕された器を見ると、「金」の部分だけが見えていますがこれは最後の装飾部分です。
最後に金を蒔くまでは、漆などを何度も塗り重ね、ヒビやカケを埋めています。
「金継ぎ」と呼ばれるので「金」で直すのが「金継ぎ」と思われますが、
金以外にも「銀・錫・真鍮」などの金属粉仕上げや、漆で仕上げる方法など色々あります。
大まかな手順をご紹介〈割れたお皿の場合〉
- 接着
- 錆漆
- 研ぎ1
- 塗り1
- 研ぎ2
- 塗り2
- 研ぎ3
- 塗り3
- 金蒔き
- 粉固め
上記が流れなのですが、いかがでしょうか。
ほとんどが研ぎと塗り作業がメインとなっています。
では次に、一つ一つの作業の中身をご紹介します。
どれくらい時間がかかる?
それでは、一つ一つの作業にどれくらいの時間がかかるのかみてみましょう。
1 接着
〈1日目〉割れた部分を「糊漆(練った小麦粉と漆を混ぜたもの)」で接着。
〈その後しっかりつけるために1ヶ月くらいおく〉
2 錆漆
〈2日目〉接着した部分の隙間を埋めるために「錆漆(砥粉と漆を混ぜたもの)」をつける
〈2〜3日乾かす〉
〈3日目〉錆つけした部分を研いで滑らかにする
※ここまでである程度の凸凹を埋めます
綺麗になったらそこを呂色漆(黒)で塗っていきます
〈2〜3日乾かす〉
3〜7 研ぎと塗りを繰り返す
〈4日目〉〈5日目〉〈6日目〉
表面に凸凹がなくなるまで研ぎと塗りを繰り返す
〈塗ったらその都度、漆を乾かします〉
8 金を蒔く
〈7日目〉表面が綺麗になったら、修繕された部分を赤漆で描き、金を蒔く。
〈1週間ほど乾かす〉
〈8日目〉金を蒔いた部分を漆で固める(粉固め)
〈2〜3日乾かす〉
〈9日目〉金を磨いて完成
さて、いかがでしょうか。
細かい作業は間にあるのですが、ざっくりこのような流れで完成です。
上達するまでは綺麗に仕上げようとすると、もっと日数がかかってしまうと思います。
まとめ
とにかく、漆を乾かすのに数日おきながらの作業なので漆に合わせての作業になります。
いっぺんに作業を進めることはできません。
ですので、週末ごとに作業するぐらいの気持ちで取り組むのがおすすめです。
工程がたくさんあるので、一つの器が完成する頃には最初の方の作業のやり方を忘れてしまったり、金継ぎ教室あるあるなのですが、たくさん器を直していくうちに少しずつ覚えていけると思います。
ぜひ、金継ぎにチャレンジしてみてください。
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